年金トピックス

No.04

障害年金とは?

障害年金は、原則公的年金に加入する20歳以上の人が障害の状態になった場合に支給される年金です。ここでいう「障害」とは、身体上の障害だけでなく知的障害や精神障害も含まれます。さらに、一定の要件を満たすと、公的年金に加入する以前の障害(先天性の障害など)を持つ人にも支給されることがあります。また、障害年金は老齢年金のように一定の年齢に達していることが受給の要件となっていないので、障害年金を受給している人のうち約60%以上が60歳未満であるという調査結果もあります(厚生労働省「令和元年年金制度基礎調査」より)。障害年金とはどのような年金なのかをみていきます。

☆障害年金の障害等級

障害年金の障害等級は1級から3級まで定められており(3級は障害厚生年金のみ)、障害の状態の基本は次のように定められています。

●障害等級1級

他人の介助がなければ日常生活を営むことが難しい状態など。

●障害等級2級

日常生活を営むことに著しい制限を受ける状態など。

●障害等級3級

労働することに著しい制限を受ける状態など。

「障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)を持っていると、障害年金が受給できるのですか?」と聞かれることがありますが、障害者手帳の障害等級と障害年金の障害等級は一致するものではありません。このため、同じ障害でも障害者手帳の障害等級と障害年金の障害等級が異なる場合があります。また、障害者手帳を所持していることが障害年金を受給する要件にはなっていないので、障害年金を受給するために障害者手帳の交付を申請する必要はありません。なお、障害年金の具体的な認定基準は、

日本年金機構のHP

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html

で確認することができます。

☆障害年金の受給要件

障害年金が受給できるかどうかを認定する場合、「初診日」と「障害認定日」という日にそれぞれ満たされなければならない要件があります。初診日・障害認定日とはどのような日なのか、満たすべき要件は何なのかみていきます。

1.初診日に関する要件

「初診日」とは、障害の原因となった病気やけがの治療のために初めて病院にかかった日のことです。初診日において、原則国民年金または厚生年金の被保険者であることが必要です。国民年金と厚生年金の両制度に加入している国民年金の第2号被保険者であれば障害厚生年金と障害基礎年金(障害等級が3級の場合は、障害厚生年金のみ)、国民年金のみに加入する第1号被保険者及び第3号被保険者であれば障害基礎年金を受給することができます。

また、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までに保険料の未納期間が被保険者期間全体の3分の1未満であること、もしくは初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことが必要です。

●初診日と保険料納付の具体例(初診日が平成4年5月1日以降の場合)

初診日が4月2日→初診日の前日が4月1日なので前々月の2月までの1年間に保険料の未納がないこと

初診日が4月1日→初診日の前日が3月31日なので前々月の1月までの1年間に保険料の未納がないこと

障害年金では、病気やけがの治療を始めた初診日の前日で保険料の納付要件を満たしている必要があります。したがって、保険料をまったく納めていない人が障害の状態になってから保険料を納付しても障害年金は受給できません。このようなリスクを避けるためにも、保険料の負担が経済的に難しい場合は保険料の免除制度や学生納付特例制度の申請手続きをとっておくことが重要になります。

2.障害認定日に関する要件

「障害認定日」とは、初診日から1年6ヵ月が経過した日または病気やけがが治った日(症状が固定し、医療を受ける必要がなくなる場合を含みます)のいずれか早い日のことです。障害認定日で障害等級に該当すると、障害年金を受給することができます。

障害認定日において障害等級に該当しなくても、その後症状が悪化して65歳までに障害等級に該当した場合は障害年金を請求することができます。ただし、65歳前でも老齢年金を繰上げて受給している場合は、障害年金が請求できなくなります。注意しましょう。

☆障害年金の受給額

国民年金から支給される障害基礎年金は、定額で2級が年額777,800円、1級が2級の1.25倍で年額972,250円です(いずれも令和4年度額)。18歳の年度末未到達の子どもがいる場合は、その子どもの加算額が上乗せされます。

厚生年金から支給される障害厚生年金は、厚生年金の加入期間と厚生年金の保険料徴収の基礎となった給与・賞与の平均額である平均標準報酬額から計算します。ただし、厚生年金の加入期間が短い場合は、加入期間を300月とみなして年金額を計算します。また、生計を同じくする65歳未満の配偶者がいる場合は配偶者の加算が上乗せされます。

☆障害年金についての注意点

障害年金についての勘違いなどから、請求手続きを行わないケースがあります。

1.病気やけがが治っていない場合の障害年金

障害等級に該当するかを認定するのは、障害認定日における障害の状態です。障害認定日においてまだ病気やけがの治療を続けている場合でも、障害等級に該当していれば障害年金を受給することができます。なお、障害年金の受給者で障害の状態が変化するため定期的な障害の状態の確認が必要な場合は、日本年金機構から診断書がついた「障害状態確認届」が送付されます。診断書を返送すると、その内容により障害等級が変わる場合があります。

2.収入と障害年金の関係

障害年金は、原則として給与などの収入との調整は行われません(注:国民年金に加入する前の病気・けがや先天性の障害が原因で受給する障害年金は収入の額に応じて減額されることがあります)。また、不動産や預貯金など保有する資産と調整されることもありません。

3.障害の範囲

障害年金は身体上の障害に対してのみ支給されるものではありません。がんや糖尿病などが原因で障害の状態に該当する場合や統合失調症などの精神的な疾患で障害の状態に認定される場合もあります。

障害年金の請求手続きが遅くなると、過去の病状を証明してもらうとしてもすぐにカルテなどが廃棄されていて、書類が整わない場合もあります。また、障害年金は、障害の状態についての判断がわかりにくく、請求手続きも障害の状態などにより必要書類が異なります。障害年金が受給できるかどうかは最寄りの年金事務所に相談し、必要な手続き・書類を案内してもらいましょう。

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