年金に対する不安が多いと聞いて未来からやってきた年金のスペシャリスト。
日本語ペラペラだが実は国籍不明。
24歳、女性、ミュージシャン志望。
男勝りな性格で姉御肌。困った時も気合いで乗り越える。
年金って今の高齢者は受給額が高額なわりに、負担額が少なかったって聞いたんだけど、一体どういうことなの!?
私たちの負担額は増える一方で受給額は減っているっていうのにおかしいじゃん!!!
一体どんな理由でこんな理不尽な目にあわなきゃならないの!?
(ひぃー。すごい剣幕だ。)
まあまあ落ち着いて。
これが落ち着いていられるかー!
まー、確かに、今の高齢者が若い頃に負担した保険料は現在に比べればはるかに低かったんだ。でも、その一方で年金の受給額は低い水準にあったんだよ。だから、同居や仕送りといった形でも自分たちの両親を私的に扶養していたのさ。
ならそのままでもよかったじゃない!そっちの方が気合が入るってもんよ!!
気合かー・・・・。気合だけじゃどうにもならない事もあるんだ。
え、気合じゃどうにもならない・・・だって・・・・?
理由は、都市化や核家族化、少子化や長寿化が進んで、家族による高齢者の扶養はどんどん難しくなっているからなんだ。
それに加えて、私的な扶養だと親の寿命の長短などが原因で、扶養のための負担が世帯ごとに大きく異なってしまう。
だからこそ、下の図で示されているように、私的な扶養から年金を通じた社会的扶養に移行してきたんだ。
なるほど。
私的と公的といった違いはあるけど、一応は今も昔も高齢者の生活を支えるためにお金を使っていた事には変わりはないってことなのか。
その通り!今は、年金保険料の負担額が多くなっているけれど、逆に親を個人的に扶養するための負担は減ってきているという訳なんだ。
私的な扶養負担も一緒に考えると、年金だけで不公平とは言い切れないという訳なんだね。
さらに、今の高齢者が若かった頃は、現在に比べて、家計に占める食費の割合が高かったり、社会基盤が整っていなかったり、生活水準はかなり低かった。そうしたなかで、私的な扶養負担に加えて、公的年金で高い負担を求めることは難しかったんじゃないかな。
落ち着いたみたいだね。
いいや!
それでも世代間不公平を感じるわ!
ひぃー!
た、確かに、現在の若い人たちの経済状況からすれば、納得しがたいよね。今の高齢者に年金を少し我慢してもらった分を将来に回したり、若い世代に対する雇用環境を改善したり、他の社会保障を充実させたりして、不公平感を減らしていくことは必要だよね。